夏の野菜

 家庭菜園を始めて約10年になると、種をまいて移植した後その苗がどの様に伸び成長していくかというものはだいたい見当がつくものである。
今年もいくつかの野菜の種をまいたり苗或いは種芋を買ったりして畑に定植した。
場合によっては思惑と違ってさっぱり成長しなかったり、あるいは予想外にたくさん取れてしまったりということも起きる。

 過去の経験からもこうしたことはあり得ることであった。
今年もまた思惑と異なったうちの例を3つほどあげてみよう。

 一番目は長芋である。
長芋は一昨年から始めてみた。昨年も一昨年もそこそこうまくいったということで、今年も4月に長芋を定植。さらに山芋も追加で定植した。
それぞれ時期が来れば発芽し伸びてくると当然予想をしていたけれども何やら一向に発芽してこない。昨年のムカゴから発芽してくるのは細いし小さいので区別できる。
かなり遅れてやっと種芋から発芽したと思われるのはわずか2本だけ。
その後しばらく様子を見ていたけれども結局これ以外には発芽してくる気配が全くないということで今年は山芋と長芋を各十個ほど植えたけれども、どう見ても各1本ずつしか発芽したとは思えない状況である。

 次はキャベツ。
キャベツは春先に定植するとすぐ蝶がやってきて 卵を産み付けてしまうためしっかり管理していないと青虫に葉っぱを食われて虫食いだらけになってしまう。
それは当然予想されていたために最初からネットを張り、定期的に葉っぱの表面を観察し虫の気配があれば直ちに捕殺ということでこの2ヶ月管理してきたところが、やはりこの時期に至って葉っぱは全て虫食いだらけになってしまった。
畑で話を聞いていてもネットを張り殺虫剤を定期的に撒いてもどうしても青虫の被害を食い止めることは難しいと言う。

 アブラナ科の植物は春の家庭菜園には向かない。


3つ目はズッキーニ。
 3種類のズッキーニが順調に実をつけ始めたのがよかったけれども、例年のズッキーニであればだいたい1株に3つか4つ程度実がつくと寿命が尽きてそこで終わりになっていた。
ところが今年のズッキーニは丸い形をしており3本とも次から次へと実をつけているのである。
一日に1個か2個ずつ取っても翌日には新たに実をつける。毎日それを繰り返しているととても家庭で消費できるものではない。
 
 いくつかは近所に配ったり頼んでもらってもらったりしたけれども結局とても消費できず、放置しておくわけにもゆかないため今では畑に掘って埋めるはめになってしまった。
例年と同じような感覚でスタートした夏野菜の一部ではあるけれども想定のようにはゆかないものである。