カメラに趣味のあった私がデジタルカメラが出現したときにそれなりの関心と興味持ってはいた。しかしながらカメラ雑誌等の説明では現時点におけるデジタルカメラの画質評価はフィルムカメラとは比較にはならず、少なくともメモ程度のレベルである。しかし見方によればそれなりに一定の役割がある。フイルムカメラは現像してからでないと画像が見えないが、デジタルカメラはその場ですぐ記録の中身を確認するという使い方をする限りにおいては有益であるというような説明があった。
 この当時の画素数は35万画素レベルでこれはテレビ画面の画像とほぼ変わらず、動いているテレビ画面ですらアナログ放送では決して綺麗な画像とは言えなかったが、そのレベルの映像の写真しか撮れなかったのであった。
 ましてや画像をプリントしてみるという話になると、まあ名刺サイズあるいはその半分ぐらいであればなんとかプリントした状態で見ることができるが、普通の写真つまりサービスサイズ版まで伸ばす事は難しいというそのようなレベルであった。
 ということでデジタルカメラに関心はあったものの買って使ってみようという気持ちにはいかなかったのであった。
 ところがある機会にデジタルカメラをついに購入したのであった。それは平成8年頃、名古屋駅前エイデンに寄ったとき、富士フィルムのDS 10というデジタルカメラが、当時定価が4万近くしていたものが9,000円台で売り出されていたのであった。まあおもちゃと割り切ればいいのかな言うこともあって、購入したのであった。
 早速電池を入れて、この時は充電式ではなく単三電池を入れて撮る方式ですぐその場で写真が撮れるような状態であった。名古屋駅まで歩いてくる間に街中の風景を写真を撮ってきて、パソコンに取り込んで映像見てみたのであった。パソコンのディスプレイで見る分についてはあまり大きくしなければそこそこの写真として写っていたのであった。
 旅行に行った時にメインのフイルムカメラのサブとしてその周辺の記録を撮ると、カメラに時間が記録されるため、メモとしては役にたつのではないかという印象であった。
 念のためにプリントアウトしてみたところやはり想定通り画質はよくなく、名刺サイズ程度でもやや粗が目立つという感じであった。まあもっともこの当時のプリンターは今のような細かいドット数を持っているのではなかったので、その分を割り引いて考えなければいけないかもしれないが、プリントアウトしてものを見るという使い方はやはり不向きである事は明らかであった。
 
カメラ雑誌も定期的に購読していたためデジタルカメラの特集はしばしば取り上げられており、将来にはデジタルカメラもフイルムカメラと肩を並べるレベルまでくる可能性は否定は出来なかったけれども、それはまだいつのことかはっきりするような状況ではなく、ましてやデジタルカメラにフイルムカメラが取って代われられるというような事態が想定されるということについては考えられていなかった。
 それから1年ほどした平成9年、オリンパスからC1400という141万画素を持ったデジタルカメラが発売されたのであった。実はこのカメラについてはカメラ雑誌でもかなり高く評価が出ており、 35万画素レベルしかなかったデジタルカメラの画素数が一気に141万画素という、きわめて高い画素であり、このレベルであればディスプレイで見る分についてはほとんど問題もないし、プリントアウトしても、サービスサイズであればフイルムカメラと何ら変わりがないという評価がされていた。  値段が12万ほどしてちょっと手が出ない状況であったけれども、このカメラに関心を持ちつづけていたところ、たまたま名古屋の地下街で9万円台で売り出されているのを見つけた。
 少し高いとは思ったけれども、やりカメラ雑誌の高い評価を考えるとついに衝動買いに近く買ってしまったのであった。ボディーは一眼レフのような大きさで形も持ち方も一眼レフカメラを使うような撮り方ではあったが、買った当初からすぐこのカメラで写真を撮りまくりパソコンのディスプレイに表示したり、実際にプリンターで印刷したものを見てみた。この頃から写真用印画紙にプリントするとほとんどフィルムによるサービスサイズ版で見ている画質と変わらない。場合によってはれよりも鮮やかな写真となり、ある意味ではデジタルカメラでも十分写真撮影として使えたのであった。
 
カメラ雑誌にはデジタルカメラの画素数がもし600万画素程度まで伸びてくればフイルムカメラとある程度勝負が出来るというようなことを書いてあった。つまり今のフイルムの解像度はデジタルカメラに換算して約600万画素相当ということらしい。
 
 ただしこれは大きく引き伸ばして初めて意味のある画素数で普通の使用状況であればフィルムカメラであっても200万画素レベルの映像として写真にしており、デジタルカメラもすぐもう目前に200万画素に達成するのではないかというような流れになっていた。
 それから2年後、オリンパスC2000ZooMという200万画素を超えるデジタルカメラが発売されたのである。この200万画素であればプリンター印刷でキャビネ版までなら十分画質的にはフイルムカメラと対等であるというカメラ雑誌の評価が1つの決め手となってカメラも購入したのであった。
 先のカメラのC1400と比べてコンパクト型カメラで、一眼レフのような形をしたカメラに比べるとぐっと小型化したされており旅行にも持っていくに特に支障のないような大きさとなったのであった。  
フイルムカメラの場合カメラ本体の形状が違っても35ミリフィルムを使う限り、フイルムそのものサイズは同じであり、場所やTPOに応じて持っていくカメラを選択したりあるいは複数のカメラを持っていったりというようなことがあったけれども、デジタルカメラは画素数が上回っているカメラがあるのにそれより低いカメラを持ってくるという考え方はなくなり、オリンパス C 1400というデジタルカメラは結局家にそのまま置いておくような形となってしまったのである。

 それからわずか1年後にカシオから新しくQV3000exという300万画素を超えるデジタルカメラが発売されたのであった。オリンパスの200万画素をさらに上回る300万画素カメラが出た以上やはり、乗り換えるしかないというまさに衝動的な考え方では、このQV3000exというデジタルカメラをついに買ってしまったのであった。値段も少しづつ低下してきており以前ほど値段のことがハードルとなって躊躇するということはなくなってきたのも1つの要因ではある。
 ところがこのQV3000exというカメラは私にとって縁のないカメラとなってしまったのであった。実は買って1週間ほどして、御在所岳登山にこのカメラを持っていったのであったが、途中で落としてしまい、ついにそれ以降このカメラは出てこなかったのである。
 もちろん落としたときには山道を戻って探したけれども見つからず、翌日も職場を休んで同じルートを歩きずっと探したけれどもカメラは発見できず、湯の山温泉にある交番にも届出したのであったが、ついにこのカメラは私の手元に戻ることはなかった。
 
せっかく300万画素のカメラが発売され、手に入れたにも関わらず紛失状態になってしまったために、300万画素のカメラに対する喪失感があって、同じカシオから VX 3というやはり300万画素のデジタルカメラが発売されていることがわかりそのカメラを購入することとしたのである。
コンパクトカメラサイズであって持ち運びには都合が良かったけれども、単焦点で何か物足りないイメージがあり、あまり使い道がない状態であった。ただ300万画素あるためにプリントアウトしてみると、A4サイズレベルであれば充分見られる写真となったのはこのカシオの300万画素のカメラからである。
 この頃なるとフイルムカメラの出番が徐々に後退し、旅行はもちろん登山にもデジタルカメラが活躍するというような状況に少しずつ変化してきたのであった。
 そしてまたまた衝動買いということが起きたのである。このカシオの300万画素カメラを買ってそうたってもいない頃に、あるカメラ雑誌を読んでいたところコダックが発売しているDC 4,800というカメラである。コダック特有のあのユニークな発色で日本のデジタルカメラには無い色彩感覚を持ったカメラであるという評価があった。この評価を聞いたとき昔からコダックに関してはカラーフイルムに憧れを持っており、そのコダック系の色という魅力に惹かれて四日市ヤマダ電機まで出かけていって思い切ってこのカメラを買ってしまったのである
 コダックのDC 4,800というカメラはやはり300万画素でありその点については従来のカシオと変わらなかったけれども、エクタクロームとかコダクロームといったその当時、リバーサルフィルムでは最も人気のあるあのコダックの色彩がデジタルカメラでも再現できるところに重要な意味があった。確かにこのカメラで撮った映像は独特の発色であり日本のカメラの発色とはかなり異なっており、コダックそのものとも言うべきユニークな色であった。
 
私にとっては非常に魅力的なカメラであったのである。もちろん登山にも出かけ旅行にも出かけるときにはこのカメラが常備カメラとなったのであった。ところが残念なことに、北アルプス穂高岳で首にぶら下げて山を下っているとき激しく岩にこのカメラをぶつけてしまったのである。この時点でカメラを故障してしまい写真が撮れなくなってしまったのであった。早速問い合わせし修理すること思ったけれども、なにせコダックのカメラであり、すぐには修理できないという話であり、故障部分がどの程度かによっては新品を購入しても変わらない位の価格なる可能性もあると言われてこのカメラを諦めることとなってしまったのである。せっかくの発色で私にとっては大のお気に入りカメラであったのにもかかわらずこのようなことで手元から離れていくというのは残念であった。
 
一旦デジタルカメラの世界に乗り込んだ以上、フィルムカメラに戻るという気持ちは遠のき、またまたデジタルカメラを物色することになったのである。再びコダックとも思ったけれども、故障したりした時、新品購入と変わらないというような状況もあり、ここにためらいが生じて再び日本のカメラのメーカーに戻ることとなった。
 そしてCanonのpower shot es 30というデジタルカメラを購入したのであった。画素数は400万画素にアップした上、小型化しまた軽量化もされてきており従来のデジタルカメラよりももうすこしポケットにも入りやすいサイズとなった。
やりこのカメラも引き続き旅行あるいは登山に携帯することとなったのである。
 
平成15年、ついにデジタルカメラの一眼レフを購入。もちろんこれよりも前にデジタル一眼レフが発売されていたが、プロ用であり一般のアマチュアが使うにはとんでもない値段であった。デジタルカメラも一眼レフ化されると思っておりその機会を待っていたところついに一眼レフデジタルカメラが発売されたのであった。 私が買ったのはCANON eos kiss digitalという一眼レフカメラである。そして以前雑誌で書いてあった600万画素を達成したカメラである。つまりフイルムカメラと同等に使えるというデジタルカメラとなったのである。
 もちろん値段は10万超えており相当な覚悟は必要ではあったけれども一眼デジタルカメラを購入するっていうことに関しては従来のコンパクトカメラとは違う意味がありこれは値段とは関係なくもう買うことに決めてしまい即購入したのであった。この時よりデジタルカメラはフイルムカメラにとってかわってしまったのであった
 初めてデジタルカメラを手にしてから10年目にしてもうすでに何台かのデジタルカメラを購入買い替えをしてきたけれども、平成10年後半に入ると画素数はどんどんアップする一方でカメラ自体は小型化していった。そんなわけでコンパクトデジタルカメラを新たに購入。
Canon ixyデジタル 10というデジタルカメラである。小さくても画素数は700万画素であった。 powershotよりも相当小型で胸のポケットにも入るレベルであった。このixyデジタルというカメラはつい最近まで使っていたけれども、レンズの繰り出し動作ができなくなる故障になったためこのカメラはそれ以降処分してしまった。
その後もixyタイプのカメラを購入し、ちょっとした旅行とか気楽なスナップに使っている。ビデオ機能が追加されたりしているけれどピントがうまく合わなかったりするなどの不具合も時々発生するため、最近は部屋に置いたままになっていることが多くなってしまった。
 
デジタルカメラにシフトして今年に至る約10年の間、私はフイルムで写真を撮るという事はもうなかったのである。それまでに多くのフイルムを購入し机の引き出し戸棚などにいくつか残っていたけれどもそれを探してみたところ、白黒フィルムはもちろん、赤外フイルム、外国コダック製のフイルムなどいっぱい出てきた。これらのフイルムはすべてもう10年以上前に期限切れを迎えておりほとんど何の役にも立たないまま処分ということになったのであった。
 それ以降もデジタルカメラの画素数のアップは繰り返し行われその都度一眼レフに関してはCanonの一眼レフを買い換えてきた。現在はdigital X 4という一眼レフで画素数は1,800万画素となっている。
 
 なお最近になって一眼レフタイプからミラーレスタイプのデジタルカメラが出現するようになり、平成24年初めてニコン製のデジタルカメラを購入したのであった。ニコン1それがミラーレス一眼レフカメラである。画素数は1000万画素しかなく従来の買い替えの基準である画素数がアップしたため買い換えるという考え方から行くと逆行しているようであるが、画素数時代の競争はそろそろ打ち止めで、より安定した写真、そして失敗のない写真そういう方向へ私自身がシフトしてきたというのもあるかもしれない。
 それとデジタルカメラでも写真を撮るということになったとき一眼レフで撮るということなるとやはりカメラを持っていくときその大きさ重さが負担になり、ミラーレス一眼レフのように小型軽量化されてくると、多少画素数を割り引いても問題はほとんどないというそういう結論に達したものである。