東日本大震災に関連して

 東日本大震災3年目にNHKテレビが巨大地震という特集番組を報道していた。今回の大地震マグニチュード9.0ということで日本近海で起きる大地震の規模としては、これまで想定されていなかった。
 もともと地震学者は日本近海で発生する最大級の地震の大きさをマグニチュードを8クラスと推定していた根拠について、様々な理由をあげていたけれども、結果としては科学的に地震観測が行われるようになって150年しか経過していないことが最大の理由であった。
 今回の地震は過去1000年以上に渡って大規模な地震が起きていなかったから、わからなかったというが、地球の歴史という長いスパンで考えてみたとき、150年はあまりにも短いということである。
 
 最近になって言われているけれども、西暦869年に起きた東北地方の貞観地震というものが取り入れ挙げられている。このときどのような被害であったかという事は文献ではあまり残っていないけれど、推積遺跡とかで、今回の東日本大震災と広めてよく似たレベルの災害が発生していたと推定されてきている。

 自然災害の地震や台風、大雨洪水にしても、もっと発生頻度について長期に考えて対応しなければいけないということを示していると思う。 100年ないし150年の観測結果から地震の最大規模をマグニチュード8クラスという結論を出したこと自体がすでに大きな誤りであったということである。
 
 気象庁が気温にしても雨にしても平年値を過去30年に置いている。30年で平年値というのはいかにも短すぎると思われる。平年値を大幅に超えた大雨が降った、土砂崩れが起きた、洪水が起きたということをよくニュースでも取り上げているけれども、たかだか30年を平年値と見ること自体がやはり極端に短すぎる。
 
 確かに長期間に渡ってデータを観測することは大変ではあるけれど、気象観測レベルのデータであれば明治以降すでに100年以上経っているのであるので、平年値を1世紀100年分ぐらいにしてもいいのではないかと思えるのである。

 昨今地球温暖化かはどうかはわからないけれども、大雨の被害が多かったり台風も巨大化している言われているけれども、100年間くらいのスパンで考えたときに、温暖化によるそういう特別な現象なのかどうかというのもよく検証してみなければいけないのかのではないかと思う。

 今から30数年前に桑名に転居し、関西線で通勤したけれど、途中の弥富駅は全国で最も標高の低い駅としてマニアには知られている。車窓から眺めると弥富周辺は以前は家を新築するとき盛土をしていたのに、最近は殆ど平地に家を建てている。弥富はかって伊勢湾台風で高潮によって土地が大浸水を起こしたはずである。
 まだ半世紀ほどしか経っていない台風であるから、今後100年で同じような台風がまた来襲する可能性は十分あると思えるのだけれども、もうすでに多くの人はそのことを忘れているのか、気にもしなくなっている。