鹿島槍ヶ岳


鹿島槍ヶ岳爺ヶ岳後立山連峰を代表する山々で、眺めた美しさは誰もが認めるところ。
剣岳立山連峰が間近に迫り、高山植物も豊富だ。

そんな山ではあったけれど、この山に登るにはどのようなルートを組んだとしても最低山小屋で1泊、我々の体力では場合によっては2泊が必要。
夏山で山小屋に泊まるという事はお風呂に入れない。まあ最低1泊であればなんとか我慢できないこともないけれども、 2泊は大変辛い思いをしなければならない。ということでこの地域の山に入るのは以前からやや避けてきたきらいもあった。今回も1泊では体力的に無理と分かって、思い切って2泊の山小屋で計画を立て登ることにしたのであった。


柏原新道は爺ヶ岳の南斜面につけられたコースで、危険が少なく登りやすい登山道ということで、ここから入ることにした。
車で朝出発、昼ころ扇沢バスターミナル近くに車を止めて登山開始。
扇沢の河原を越えた先から広葉樹林の急斜面を登り始める。
道がよく整備されているので年配者でも上りやすい。コメツガ、ヒノキなどの深い針葉樹林帯をジグザグに登り、日陰にある小さなベンチの前に出て1段落。
相変わらず展望のない樹林帯が続きやがて左下には扇沢バスターミナルが望めるケルンが積まれた地点まで登ってくる。
石畳と呼ばれる地点を過ぎ道が左に大きくカーブし花畑の斜面を登るとようやく1泊目の種池山荘に到着。
ちょうど本日最終の到着となって8人部屋に3人だけで泊まれる幸運に恵まれた。



柏原新道入口


ケルン


針木岳方面


種池山荘横の池



2日目は朝のうちややガスがかかって天候が危ぶまれたけれど、その後は晴れて好天気に。
種池山荘から1時間ほどで爺ヶ岳南峰に到着。山頂からは剣・立山連峰槍ヶ岳から鹿島槍までのパノラマが広がっている。南峰直下のガレ場にはコマクサが可憐な姿を見せていた。

冷乗越の手前で赤岩尾根コースと合流。この付近は右側が大きく崩落していてちょっと危険なところ。
樹林帯を上り返すと冷池山荘に到着。
再び樹林帯を抜けキャンプ指定地を通ると、お花畑へと入る。チングルマなどの高山植物が咲き乱れている。
先方には布引岳・鹿島槍が美しいスカイラインを見せている。ハイマツに覆われた広い急斜面をジグザグに登って布引岳へ。鹿島槍の南峰が大きく下がり右奥には北峰が顔のぞかせている。
剣・立山連峰が目の前に迫る。特に剱岳の東面の姿は荒々しい。
この付近は黒部側はなだらかな傾斜に対して東面は鋭く斬り落ちている。
傾斜がきつくなり瓦礫の道をさらに登って鹿島槍南峰に到着。
ここで山荘で作ってもらった弁当(チラシ寿司)を広げる。
時間があれば、北峰を往復してきてもいいのだけれども今回パスした。

下山は今まで登ってきた道をそのまま引き返すルート。
2泊目は冷池山荘に宿泊予定だったけれど、時間に余裕があったため種池山荘まで戻ってきた。
流石に今日は混雑しており昨日のように個室状態にはならなかった。ただ連泊ということで宿泊料金が割引で、食事も少し違っていたのには驚いた。


夕食後の談話室では宮崎から車で全国の山々を巡っているという人から面白いお話を聞かせてもらった。


種池山荘から南面方向 富士山も見えました





剱岳望遠 小窓王


槍ヶ岳









鹿島槍頂上





3日目は再び来た道を引き返し扇沢から大町温泉郷に大急ぎ。3日ぶりにお風呂に浸かってやっと生きた心地がしたのでした。




柏原新道 黄色の標識が多くありました