デジタルカメラの画素数

 先週旅行しているときに私がニコン1というデジタルカメラ、これはミラーレス一眼レフカメラでもあるけれども、このカメラを持って写真を撮っていたときにすぐ隣で、パナソニックlumixというミラーレス一眼レフカメラを使っている人が私に話しかけてきた、「私もニコン1に関心はあったけれども撮像素子が小さいためにパナソニックlumixにした」という。
 この撮像素子については私も薄々気にはしていたけれども、撮像素子そのものをカメラを選択するときの大きな要素として考えているという人に初めて出会ったのである。
 撮像素子を考えてこのニコン1というデジタルカメラを購入したわけではなかったので、この撮像素子が果たしてどの程度のものなのかということについて初めて今回ネットで色々調べてみていろんなことがわかっわかってきた。
 私が現在メインに利用している一眼レフであるCanonデジタルkiss 4というカメラはAPSサイズの撮像素子で、この撮像素子の大きさはfull size撮像素子に比べると約半分の大きさであるある。この点については一眼レフを購入した時点から撮像素子がフルサイズに比べて半分しかないという事は理解していた。もともと本格的なフルサイズの一眼レフであれば撮像素子もその分大きくなり、価格も高くなるということでアマチュアが使うデジタルカメラにとってはAPSサイズで十分であるという認識でそれ以降あまり撮像素子については考えたこともなかった。
 むしろ撮像素子が同じサイズであったにもかかわらず画素数が飛躍的に拡大し、当初同じ撮像素子であったデジタル一眼レフの場合、デジタルキッスというカメラの場合は600万画素であった。しかしその後徐々に画素数のアップが続き現在では1,800万画素となっている。つまり初めてデジタルカメラとして一眼で最初に買った時は600万画素であったものが1,800万画素と3倍に拡大したわけである。
 単純に考えれば画素数が増えた分だけ画像はキメが細かく繊細になるという印象ではあったけれども、どうも単純にはそのようにならないようである。つまり撮像素子そのものがもし変わらなければ画素数が増えた場合、その分より高度の画像エンジンで画像をうまく処理しなければならないということのようだ。
 つまり撮像素子が同じである限り画素数をアップしたとしてもそこから導き出されるデジタル画像に関しては特段の画質の向上は基本的には存在しないということのようである。そこで問題となるのは同じ撮像素子であれば今度は逆に画素数が少なければ少ないほど写真としては1画素数あたりの情報量より多くなって全体として写真を見たときにはその方が優れているのかどうかという点である。この部分についてネットで色々調べてみたけれども基本的には明確な説明がなされているものを見つけられなかった。
 同じ撮像素子でも画素数を落として撮影した場合に画素数を目一杯上げて撮影した場合よりもキレイになる考え方というのは従来全く発想としなかったけれども、もしこれが事実であるであれば画素数が少なくなればなるほど逆にきれいな写真が撮れるという理屈になるけれども、あまりそのような説明も聞いたことがない。
 ネットで調べてみたところ、どうもRAW画像というものが撮像素子そのものの能力であるということにどうもなりそうである。つまり一旦撮像素子でRAW映像を作成し、そこから加工をして画素数を例えば1,800万画素であればその画素分に分解した映像としてデジタル写真を作成しているということのようである。したがって撮像素子が小さい大きいというのはそのまま最終的なデジタル写真の出来上がりを決めているということにどうもなりそうである。
 それともう一つはバランスというような説明も書いてあった。撮像素子に関しては一定の画素数というバランスがあって調和がとれておれば平均的に画質の良いデジタル写真ができるというものである。つまり大きな画素数に大きな撮像素子が対応しておればこれは最も理想的であるけれども、画素数そのものをアップしても撮像素子が対応したサイズでなければ、それは画質全体として向上することはないという点である。
 この点については以前も理解はしていたけれども撮像素子と画素数のバランスという考え方というのは今回初めて知ったのであった。
 バランスというのはどうもフルサイズであれば3,000万画素、APSタイプの撮像素子であれば1,800万画素前後、マイクロフォーサーズというパナソニックソニーが用いている撮像素子であれば1,500万前後、そして今回ニコンが出した13mmX8 mmレベルの大きさであれば1000万画素程度がバランスのとれた画素数ということのようである。そして加工していない生の映像をraw画像で保存しこれを調整して出来上がったデジタル写真がそのカメラの持ってる最も適した映像であるということにどうもなりそうである。
 したがってすでに撮影と同時に処理されたjpeg画像にしてしまうと、撮った写真のデータがすでにその時点で取捨選択されているために、それ以降画質を調整したとしてもすでにある程度省略されたものから変換をしているために、画質の劣化はやはり避けられないということのようである。
 それに対してraw画像であればその段階で全ての映像をそのまま保存しているために、それをもとに画質を調整するという事はjpeg画質を調整するよりもレベルの高い画像が得られるという。ということがわかってきたためこれ以降写真撮影に関しては今まであまり注目を払っていなかったraw画像でデータを保存しておいた方がいいという風に思えてきた。
 ただしraw画像に関しては画素数そのものの問題でよりもデータ全体を生のまま保存するためにその分1枚あたりの写真のデータ量が3倍ないし4倍ほどjpegよりも多くなるという若干の問題点も含んでいるのである。つまり今までのjpeg写真の4分の1ぐらいほどしか同じsdカード使った場合保存ができないということになってくる。よりよいきれいな写真を撮る方を優先するか、たくさんの写真を撮る方を優先するかという事は個人の選択の範囲内の問題かもしれないが、そのカメラの持っている最大の能力をめいっぱい引き出すという観点から考えれば多少データ量が増えたとしてもraw画像で撮影をしておく方がより今後の映像の加工という面で有利であるという結論となってきた。
 ただjpeg画像の場合は取り込んだパソコンですぐそのまま映像として見ることができるが、RAW画像の場合は一旦現像処理をしないとパソコンでそのまま見えないという煩わしさがある。