就職して最初に大きな買い物をしたのがカメラであった。それ以降40数年にわたってフイルムカメラ、その後はデジタルカメラと買い替え、撮りためた写真や撮ってもらった写真を含めると相当な数になっていたのである。アルバムで約50冊。アルバム以外にクリヤーファイルあるいは収め切れない写真が段ボール箱とかいろんな箱に入れたまま、戸棚や押し入れの中など、いたるところに数えないほどの数がしまってあったのがつい先日までの状況であった。
 フイルムカメラの頃、白黒プリントを自分で現像しプリントし、その後時代が変わってカラープリントも自分で現像・プリントできるような状況になったため、ピークの頃は毎週のごとくフイルム現像プリントを行っておりその数も半端なものではなかった。
カラープリントをが全盛になった頃は、業務用の長巻プリント用紙を購入してプリントしていたこともあり、キャビネ判サイズ以上の印画紙が段ボール箱に山となった状態で、保管といえるのかどうかわからないのが実態であった。
 デジタル化以降には簡単に写真がプリントできることもあって、一層写真が増加していたのである。

 この写真をこのままいつまでも置いておいても結局は誰かが処分せざるを得なくなるということは目に見えていたため、時間を見て少しづつ処分をしていこうということに考え方が変わった。
 さて問題は処分の方法であるけれども、以前であれば焼却処分という手が最も手軽で簡単であったけれども残念ながら今は焼却処分ができない。また写真というものの性格上、ゴミとしてそのまま出してしまうのも抵抗があり、結局シュレッダーを使って裁断しそれを一般ゴミとして処分することにした。
 そこでまず最初に始めたのが段ボール箱に入った状態での写真の裁断からである。家庭用のごく小型のシュレッダーであったため、普通のA4サイズの紙であれば2、3枚まとめて裁断できるけれども、印画紙はやや厚みがあるため1枚ずつしか処理できない。小さな写真であれば2枚3枚を平行に並べて入れることができるけれども、キャビネとかそれ以上の写真になると1枚ずつでなければ、途中で止まってしまい思ったりも時間がかかったのであった。
 裁断をはじめると写真そのものに記憶や思い出があり、当初のうちはそこで作業がとどこってしまった。写真を見入っていてはとても作業は進まないとその後は機械的に裁断をかけることとした。
 家庭用のシュレッダーの性能上、 30分ほど連続して使うとすぐ熱をもって止まってしまうのである。保冷剤を上に載せたりして多少でも熱が上がらないような方法をとっても、気休め程度でしかなく一定時間過ぎるとやはり止まってしまうのであった。
 シュレッダーをかけると嵩がかなり増加するため、普通の家庭用のゴミ袋がすぐにいっぱいになってしまうのである。それらのゴミを一般ゴミとして出すわけだけれども、まとめていっぺんに出す量は、1回につき4袋ないし5袋程度がまあ妥当なところだということもあって、一気にシュレッダーにかけてゴミに出すというわけにもいかなかった。
 というわけで4袋ないし5袋程度ずつシュレッダーにかけ、ゴミ袋を外に出していたところ、ある日、回収ゴミ置き場ににシュレッダーをかけたプリントの破片が周辺に散乱しているという現場に直面。
 ゴミ袋が破れていたのか、ごみを収集するときに袋が破れて飛び散ったのか、原因はよくわからないけど、そのままにしておくわけにもゆかなかったため、散乱したシュレッダーの残りを拾うだけでも1時間以上もかかってしまった。 ということでそれ以降は袋を二重にして出すことにした。
 写真だけの処分が終わりいよいよ次はリーフファイル等に貼り付けてあった写真を処分ということになった。
 貼り付けてあった写真はなかなか剥がれないために、台紙ごとまとめて一気にシュレッダーにかけるというようなやり方をしたがために、シュレッダーがこわれてしまったのである。
 まだ写真が相当量残っておりアルバムについてはまだ手がつけていなかったこともあり、今後もシュレッダーが必要であるということから、急遽シュレッダー買い直すことになってしまった。
 新しく届いたシュレッダーでまた作業にかかったのである。毎週1回ずつシュレッダーにかけてゴミ袋4袋程度づつとし、一通りアルバム以外の写真についての整理をメドがついた。
 次はいよいよアルバムである。50冊ほどある。アルバムからまず写真を剥がさなければならない。ところがもうすでに20年30年前のアルバムである。アルバムに完全に付着しておりなかなかうまく写真が剥がれないのである。無理に剥がしても写真が途中で破れてしまいアルバムに一部が残ったままの状態になってしまう。
 アルバムの台紙ごとシュレッダーにかけると故障するおそれがあることから、ハサミで切って処分するという手間かかる作業となってしまった。
 
 今年の夏から秋にかけ3ヶ月ほどかかってようやくアルバムも残り少なくなってきたけれども、20冊ほどのアルバムをすべて処分するのか、一定数残すのかという問題が出てきた。すべての写真を処分するというのも抵抗があるし自分だけの写真でもないために、写真をどのように取捨選択するという悩ましい問題が生じてきた。
 結局、この残った写真については今後どうするかまた思案しなければならないことになると思う。
 もう一つはフィルムの取り扱いである。今のところダンボールに詰めて保管してあるけれど、経時変化も激しくいずれ処分することになるのではないか考えている。