台湾旅行その2

 台湾旅行から戻るときにGPSロガを使ってみた。(実は行きのときも使ったのだけれどどうしたわけか信号は記録されていなかったのだ。)飛行経路の軌跡を見ていて飛行機に乗る時によく疑問に感じていたことがいくつか分かったので今日はそのことについて書いてみる。

 まず最初に離陸速度であるけれども、一般に旅客機については200キロから300キロの範囲内と言われており、今回乗った330型旅客機の場合グラフの表を見ると250キロで離陸していることが分かった。問題はここからである。いつも飛行機に乗っていて思うことだけれども、離陸直後に飛行機がふわっと落ちるような印象受けることがある。これは自分の感覚でそう思っていたのかなと今までは感じていたけれども、このグラフを見ると明らかにスピードが一旦そこで増速が止まっているということがわかったのである。つまり飛行機は一定のスピードで速度を増していくのではなく段階的にスピードを上げるような飛び方をしているのだ。スピードをアップする時といったん切り替えてほぼスピードが変わらない状態になるときがあるということがグラフから見てとれたのであった。
 今回の飛行機の飛び方を見ていると飛行速度が260キロほどになったところで一旦エンジンの出力が水平となり、その後400キロほどまでスピードがアップしたところで再びまた速度増加が止まり、しばらくして600キロぐらいまで来て再び同じように速度増加が止まるというような段階的なスピード増加を繰り返し、それ以降は比較的直線的にスピードが上がっていくというような飛び方である。離陸後上昇中になんとなく飛行機が少し後に下がるか落ちているのではないかと感じる事があるけれど、飛行機の出力の増加が直線的ではなく段階的であるということに起因するということが、この結果から分かったのである。離陸してから距離にして100キロほど飛行する間は速度の増加はかなり急激であるけれども、ここを過ぎると少しずつスピードの増加とは緩やかとなり、200キロほど飛行するとほぼ飛行機の巡航速度となりこれ以降は一定のスピードで飛行するということがグラフから読み取れる。




 一方飛行機の高度の方であるけれども、こちらは直線的に上昇してゆくことがわかる。
乗って感じているよりは割に直線的であるということである。飛行距離200キロでスピードはほぼ巡航速度に達するけれども、高度については徐々に上昇するという傾向があって、巡航高度(今回台湾から日本に帰る場合は1万2,500メートル)まで上昇するのには飛行距離ほぼ300キロ過ぎたあたりからである。
 偏西風の影響で、行きと帰りでは飛行時間にかなりの差があるけれども、今回帰りの場合は西から東に向かって飛行するためほぼ1,000キロのスピードで飛行を続けるということがグラフから読みとれる。


 さて今度は着陸の方になる。グラフからは全走行距離1,950キロのうち1,600キロ飛行した時点から下降に入っていることがわかる。地図上の飛行経路では紀伊半島にさしかかる少し手前ぐらいから機内アナウンスで着陸態勢に入ったという説明があったのでちょうどこの辺が全走行距離の1,600 km位である。
 偏西風に乗っている理由かもしれないけれども着陸する体制に入る頃は逆にスピードはさらにアップして1,100キロを超えている。ここからエンジンの出力を徐々に絞るためスピードも徐々に低下ししてゆくけれども、上昇時に比べて比較的緩やかであるということがわかる。



 今回の着陸時の下降はきわめて直線的であり安定した飛行であったかもしれない。なおスピードについては若干の凸凹はあるけれどもほぼ高度に比例して少しずつ速度が下がり、離陸時とは若干の違いが出ている。
今回の飛行グラフを見ていると飛行中は安定しており、飛行速度・飛行高度もほとんど変化がないということから快適であった。事実ほとんど機体の揺れもなかった。たまずはめでたしである。



 もうひとつここで飛行経路を地図で眺めてみて少し面白いところがあったので記載してみる
 桃園空港を南西方向に向かって離陸した飛行機は海上で180方向転換し東北東に向かうのだけれど、このコースをまっすぐ飛行すると尖閣列島上空を通過するコースとなっているのである。その尖閣列島そのまま上空を飛ぶかと思いきや、北に進路を少し振り尖閣列島を避けて飛んでいるかのような飛行コースである。これが通常ルートで飛んでいるのかどうかはよくわからない。
 その後経路で見ている限り最短コースを飛んでいるという感じであり、中部国際空港に着陸するときも全く迂回コースをとらず直線的であった。
 風向きによっては桑名の上空を旋回してセントレア空港に着陸する航空機が多いけれど今回はそのようなことは無かった。