セミ

 一週間ほど前の朝、新聞をとりに玄関口を開けたところセミが一匹横たわっていた。近づくと大きな鳴き声はするけれど、羽をばたつかせるだけで飛ばない。
よく見ると片方の羽が小さくて飛べないようだ。ふ化するときか何かで不都合があったみたいだ。せっかく土の中で長い間生息してこれからという時にと思い、踏まないよう横においておいた。しかし1日後に同じ場所で死んでいた。


 数日前、また同じように片方の羽が小さく飛べないまま1匹のセミが玄関付近で羽をばたつかせていた。様子を見ていたけれど結局自力では飛べないようなので踏まないよう横に移動させておいたけれど、結局次の日に死んでいた。


 偶然が重なるものと思っていたけれど、中日新聞夕刊の「はい、編集室です」で同様な記事を見て、そういったことがあるものだと納得したのであった。