トホホな鮎釣り

鮎釣りを始めて何年かになるけれど、最近は年1回程度しか出かけていない。
鮎釣りの仕掛けは細かいため毎年扱いに苦労していることもあって多少気にしながらの出発であった。
 
 今年は富山の庄川が目的地。

 昨年も釣りには行っているため必要な仕掛け類は揃っているため特にその点については問題とするところはなかった。ただ念のため出かける前に仕掛けを実際に鮎竿にセットし確認した上で出かけたのであった。

 最初にあわててしまったのがハリスをつける作業である。サカサバリ部分にハリスを通すだけのことであるけれども、ハリスを専用のパックから出してつけようとしてまず失策が起きてしまった。手に持っていたはずのハリスがどうしたはずみか落としてしまって手元にないのである。
 こういった作業は失敗するといけないので、普通は川の中で出来る作業ではあるけれども最初のことでもあり念のために、陸で行ったのでハリスがどっかに落ちているはずである。

 すぐ近くにあって当然なのであるけれどもいくら探しても見つからない。やむを得ずもう1本ハリスを出したのにまた落としてしまった。
 今度は意地になって這いつくばって探しようやく見つけてやっとスタート。この頃はすでに他のメンバーは釣りの真っ最中である。 大きく出遅れ。出遅れるといい場所がなくて、釣果にモロに影響する。

 2番目の失策は根掛かりをして仕掛け一式が切れてしまった時である。天井糸自体は残っているので、また別に仕掛けを取り出して天井板に結び付けようとしたのであったが、最も単純な操作の1つである天井糸に結びつけるチチワ結びができなかったのである。

 糸で輪を1つ作るだけの作業がなぜかできないのである。こんなこと初めてであった。何度試みでもチチワを作ったつもりがするりと抜けてしまって結局結び目ができず、何度も糸を結び輪を作ったり解いたりしていると、糸に傷が付くためその都度切り捨てていったためどんどん仕掛けが短くなってしまう。
結局天井糸に無理やり強引に仕掛けを結びつけるという方法をとった。しかし長さが短くなってしまったため天井糸をめいっぱい伸ばしても1メートルぐらい短くなってしまった。

 仕掛け全体を取り替えるとまた同じようにチチワ作りから始めなければならないため、もう短いままで釣りを始めることとした。
 しかしこれがまた大きなしくじりを起こしたのである。天井糸に無理やり結びつけたために天井糸と仕掛けの間によりができてしまい、それが原因で仕掛けが絡まってしまったのである。よりを戻そうとして更に一層よりが絡まって根がかりを誘い天井糸以下が切れてしまった。


 陸に戻ろうとして竿を縮めている時にまたまた失策。今度は竿の尻を固定していた尻栓が外れて川に流されてしまった。こうなると竿を縮めることもできず、中途半端なままで陸に上がってつぎ竿自体が流されていないか確認することに。幸い竿は揃っていたためほっとする。

 予備の尻栓で蓋をしてもう一度仕掛けを作って川に入ったけれど釣りをする気分にはなれないまま1日が終わってしまった。


結果はボウズ。年とともに手先が不器用になってゆくのを感じないわけには行かなかった。