囲碁考


 少なくとも囲碁を趣味にしている人なら、呉清源を知らない人はいない。

 先日その呉清源さんが亡くなられた。100歳という。
 
 死去を報道していた新聞に生前の呉清源さんの言葉として次のようなことが書かれていた。

「碁の始まりは勝負事や遊びでなく、天文とか易を研究する道具だった。だから碁は本来、争いや勝負よりも調和。調和を破ったほうが石を取られ、地を失って負けるのです」
                      ”中日新聞からの抜粋”


 囲碁同好会で上手の人からいつも言われていることと極めてよく似たニュアンスだ。
囲碁の強い人は皆このような考え方を持って囲碁を打っているということを改めて教えられた気がする。

 相手より少しでも地を大きく取りたい。自陣に侵入してきた相手の石はできれば取ってしまいたい。
こうした考え方では決して強くなれないということだ。

 囲碁の本いくら読んでも、TVの講座いくら見ていても、こうした考え方を改めなければどうしようもないということだ。しかしその方法がいまだわからない。