ある囲碁対戦

 囲碁将棋チャンネルを見ていたときのことである。
女流棋聖戦挑戦者決定戦の対戦でプロ6段対プロ2段の対戦である。


結果は図の通りで白の圧勝であった。


 黒の大石がとられてしまったのである。まだ碁盤の半分程度しか打っていないのに、このような一方的な戦いになるということがプロの対戦でも実際に起こりうるということを見て大変驚いてしまったのである。

 アマチュアが打つと、一方的に石が取られてしまうケースはお目にかかることがあるけれども、 プロの実戦でなおかつそれもタイトル挑戦者決定戦というような難度の高い戦いであってもこのような一方的な対戦になる事が有るということなのである。

 もちろん解説者が付いて、進行にあわせて大盤解説があり、大きな黒石は生きることができていた。
対戦者もそのことは十分わかっていた上で、なおかつこの様な結果になったのは、アマチュアが知らぬうちに勝手にとられてしまったのとは訳が違うと思う。

 けれども一方的な対戦が現実にあるのだ。
結局この様なワンサイドになるのは序盤のちょっとしたミスが原因だ。

 碁を打つ時の布石の段階で十分に考慮して打たなければいけないということを痛感したのであった。もし不利な状況になりそうであれば、早い段階あればその石にこだわらず、別のところに展開するという方法もあるのである。
ただ強い人は石を捨てる決断が早いけれども、弱い人はいつまでも不利な石にこだわって結局ずるずると負けるというがパターンなのである。

 今回はおおいに勉強になった対戦であった。