またまた接木

 昨年の冬から今年の初春にかけて畑は雨が多くぬかるんだ状態が続いていたけれども、春に入ってからは晴天が続き畑はすっかり乾燥している。作物にとっては適当に雨が降ってくれると都合が良いけれども、畑作業をする立場からすると晴れが続いていた方がいいのだ。

 ということで3月の後半からいちごの移植作戦を始め、それが1段落すると早くも5月のゴールデンウィーク明け後からいちごが一斉に赤くなってきた。そうなるといちごを収穫することが畑作業の全てとなってしまい、今月上旬からは毎日収穫に明け暮れていたのであった。
 先週もほとんど雨の日はなく今週も昨日まで晴天が続き、いちごはすっかり甘く美味しくなっている。ほかの畑ではもうすでに終盤を迎えているようで収穫も峠を越したようだけれど、我が家では相変わらずバケツに1杯になっている。結局はほとんど隣近所や知り合いに配って消化しているのだ。
 今日は東海地方が梅雨に入って雨も朝から降り続いており、久しぶりに畑作業は中断である。
 雨は昨日の段階ですでに予想されていたので、タマネギを収穫した後の畝に、ポットで準備していたミニトマト2種類を植えておいた。ちょうどうまい具合に雨が降ってくれたのでこのまましばらく順調に成長していくだろうと思う。
 
 今日はまたまた接木に挑戦することにした。接木はもう2回ほど行っているけれど、まだまともな苗は1本も育っていない。何とか枯れずに余命をつないでいるのが数本あるけれど、畑に定植できるようには至っていない。いつどの段階で枯れてしまうか分からないため、自宅に置いて毎日霧吹きで湿らせ、枯れないかどうかを見ているというような具合である。
 あたかも病人を世話しているかのような毎日である。外に出したらいっぺんに枯れてしまうのではないかと思えるほど弱々しい。

 今日行ったトマトの接木は前回よりももう少し成長が進んでおり軸も太くなっているので作業もやりやすいだろうというのが当初の目論見であった。挿し接ぎ用に買ったホルダー(super with)も4種類備わっているので太さについてはそれほど問題は起きないだろうということで作業を早速始めたのである。


接木の準備

 
トマトの台木はいつもの通りにBバリヤ、穂木は中玉トマトである。中玉トマトは接木に向いている品種なのかどうかよくわからないけれども、実験してみる事した。


接木の苗

 挿し接ぎの場合の1番のポイントはホルダーに挟み込む時に穂木と台木の太さが一致していることである。この辺の見極めが大変難しい。切ってから両方を合わせてみたらサイズが違っていたということでは困るのだ。サイズのあいそうな苗を選んで行ってはみたもののやはりぴったり一致しない。太かったり細かったりで難しいもんである。
 太さの調整はホルダーのサイズによって可能であるけれども、台木と穂木の太さの違いはこれはもうどうしようもない。一旦切ってしまった以上別の物に取り替えるというわけにもいかないので、無理矢理押し込んでなんとかしてみたけれども、果たしてうまく断面が一致して成功してくれるかどうかはしばらくの間養生した後でなければわからない。

ホルダーでの接木

 もう1つはすでに大きくなってしまっているカボチャを使った呼び接ぎである。このカボチャ苗は穂木との兼ね合いを考えず種をまいてしまったもので、その後に播いたきゅうりが大きくならず、待っているうちに台木のカボチャが一気に大きくなってしまい、とても不釣り合いな状態となってしまっている。

大きくなったカボチャ

 
 とりあえず呼び接ぎという方法を使うのである程度のサイズが違ってもそこはなんとか誤魔化せるだろうということで始めたけれども、既にカボチャの軸は相当丈夫で固くなっていて、一方できゅうりのほうは柔らかいために接触がなかなかうまくいかず、またやはり前回と同じように成功したと言えるような苗は1つもなかった。
 深く切り込みを入れて接木するというのがコツではあるけれども、深く切り込みを入れすぎるときゅうりの苗を切断してしまうという恐れもあり、今回もまた数本切りすぎてしまった。

呼び接ぎ終了苗

 接木自体は簡単なことなのだけれども、実際に作業としてやってみるとこれがなかなか細かい手作業となって難しいのである。インターネットYouTubeで見ているような具合にはなかなかいかない。こういった手作業は年をとってからはあまり向いていないのかもしれない。まあそうは言いながらもなんとか10本程度トマトときゅうりの接木を終了させた。
 どちらも1週間程度経った時点でだいたい状況が判明してくる。台木として使ったBバリヤは挿し芽をするために1部とっておいてまた育苗器に入れてしばらく様子を見てみよう。
 前回挿し芽をしたBバリヤとミニトマトアイコは今のところどちらも順調に成長しているように見える。
 もっともこれらが全部成長してしまったら畑に植える場所はないのでその後どうするのかはまだ未定である。なんでもたくさん作ればいいというものではないけれども、失敗したり枯れたりすることを予測して多めに作っておくわけだ。しかしうまくいった場合は逆に処分に困ることになり痛し痒しの難しいところである。


意外に成長の遅い大葉。大きくなるとのこぎりがいるくらい軸が硬くなるのに、幼苗のころは全くひ弱だ。
地ばえの大葉はもうかなり大きくなっているけれど、こちらはまだポット管理までも行かない。